どぶ川と言っても過言ではないほど汚かったところで、今は水面に浮かぶ鴨たちの足の動きまで認めることができる。川の水が透き通るほど綺麗になり、海も美しくなった。

工場や家庭から排出される水が、厳しく規制されるようになった効果だそう。
(※川の護岸工事が進み、土に含まれる栄養素が流れ込みにくくなった要因もある)
ところが、それはそれで問題があり、今度は海の生物たちに必要な栄養素が減ってしまったらしい。瀬戸内でかつて獲れた魚たちがいなくなりつつあるという弊害も出ている。
今は海が肥える施策も行っているそうだが、人工的な何かでバランスが保たれていたというのも皮肉な話だ。ひとや産業のなかった時代は、どんな連鎖のピラミッドがあったのだろう。神さまは、こんな未来を想像して生き物たちを創ったのかどうなのか。
「環境を良くしよう」というスローガンは良く耳にしてきたし、汚さないようにしようと意識することはできた。さて、今度は綺麗になりすぎた環境に対して、自分はどんな意識を持つべきなのか。未来は今の僕たちを、どんな風に教訓にしているのかなあ。