報道の仕方、その印象の与え方のせいもあるのだけれど、実は日本での「刑法犯」の数は減っている。「最近物騒な事件が増えて怖いよねぇ」なんて会話をよく聞くが、統計的なことを言えば、その会話は誤りなのである。
刑法犯認知件数は、犯罪の全体的な傾向の指標。
それによると、平成14年(2002年)に戦後最多の約285万4,000件を記録した後、13年連続で減少。平成27年(2015年)には約109万9,000件まで減少し、令和2年(2020年)には614,231件とさらに減少し、戦後最少を更新した。
つまり、約20年間で犯罪件数は4分の1以下になったことを示している。
殺人、強盗、放火、強制性交等の凶悪犯罪も減少傾向にあり、昭和期に1万件以上あったものが、平成初期には約6千件に。平成30年には4900件まで減少した。
犯罪対策、少子高齢化、経済情勢の安定化など、犯罪の件数が減った理由にはいろいろあると言われているが、それでも不幸な事件がなくなったわけではない。
数値が示すものを冷静に受け止めつつ、引き続き、犯罪をしない/巻き込まれないよう留意していきたいものである。