神戸市垂水区「障害者グループホーム オリーブ」では少しのサポートを受けながら半一人暮らしをして自立を目指せる!
身体障害・知的障害・精神障害や発達障害などを抱えて生活のしずらさを感じているあなたへ。もしくは、ご家族やご友人が困っているなと感じたあなたへ。
ほんの少しのサポートや声掛けがあれば、話し相手が居れば、仕組みがあれば……そんな困ったところに手が届くようなサービスがここにあります。

前川企画印刷が日ごろお世話になっている方々のところを取材して、魅力をお伝えする。
記念すべき第一回目は神戸市垂水区、福田川の目の前にある障害者グループホーム「オリーブ」さんに行って参りました。
まず、障害者グループホームとは何か。
障害者のグループホームというのは「共同生活援助」というカテゴリーにあり、その名の通りみんなで一緒に住んでみんなでサポートしあうというのが目的です。
オリーブさんはアバンティ垂水という30戸近いワンルームマンションの中に入っており、他の一般住人の方々と同じ建物内で暮らします。外観は青と黄色のコントラストが効いていてめちゃくちゃわかりやすい。
2025年7月にオープンしたばかりのオリーブさん。現在4名の方がご利用されています。

右からサービス管理責任者の橋さん、管理者の柴原さん、ライターの伊藤。
橋さんと弊社社長西端に長い付き合いがあり、今回の取材の機会を頂きました。
この部屋は事務所と食堂を兼ねており、利用者さんはここで朝食と夕食をとります。ここがひとつの訓練の場でもあり、世間話や介助についての相談などを気軽に会話をしたり、会話そのものの練習の場にもなります。常に職員が待機しているので、介助が必要な時や用事がある時はここに来ればいつでも職員に会えるという安心感がありますね。
オリーブは独立性の高いグループホーム
先ほども書いたように、障害者のグループホームというのは、みんなで一緒に住んでみんなでサポートしあうというのが目的です。
その中でもオリーブさんはワンルームタイプのグループホームです。
一軒家に複数人で住む、一軒家タイプのグループホームは台所やお風呂・トイレが共同ですが、オリーブさんは各自ワンルーム一部屋で朝夕の食事だけ共同。独立性の高いグループホームで半自立の生活をしながら、少しのサポートを受けて生活します。
どういった形のグループホームが望ましいかは、障害の度合いや性格や個性などによって人それぞれ違います。知的障害があり常に世話人さんの目がある状態の方が向いていたり、トイレやシャワーの介助が必要な方などは一軒家タイプのグループホームが合っているのかもしれません。
知的障害者の方や肢体不自由や視覚や聴覚障害等の身体障害者の方。自閉症や発達障害の精神障害者の方等さまざまな方が世の中に存在しています。
その方々を利用して間違った道に引っ張り込もうとする悪いヒト達からの防御壁にもなる、グループホームにはこういった役割もあります。
朝起きられない、清潔の保持ができない、服薬を忘れてしまう、金銭の管理ができない、周囲(家族・友人知人)とのバランスが取りにくい方、依存症で巡回が必要な方。こういった、少しの手助けがあれば一人で生活できる、よりプライバシーを守りたい、そういった方がオリーブさんに来られています。
逆に、常に介助が必要な方や車椅子の方、ひとりで生活するのが難しい方はオリーブさんにはマッチしないかもしれません。お問い合わせして具体的なご相談をされてみて下さいね。
苦手なところはサポートする。でも、ほとんど一人暮らしの形で暮らしてもらう。
サポートを受けながら、まずはご飯が食べられる。掃除や洗濯が出来る。安心して衣食住ができるようになると、生活水準がちょっとずつ上がり、自然と前向きになりやすい。この衣食住の部分を徹底する事によって、労働や趣味といった次のステップに進めるようになります。
疲れて前へ進めなくなった人に「将来の夢は何ですか?」と聞いても遠すぎてただのプレッシャーになりますもんね。「何もかも一人でこなすことは難しい。でも周囲の目もあるし自分の足だけで立たなければならない」と強く思い込んでしまい、焦りばかりが募ることもあるでしょう。
まずは衣食住の土台がきっちり出来ることで、それが自分の自信となり、そこから初めて「やってみたいこと」「楽しみたいこと」が実現できるのではありませんか?
オリーブのサポートを具体的に紹介しましょう。一日の流れとしては、
- 朝は必ずピンポンして起こす
- 朝食を集まってとる
- 昼は自分で用意してとる(希望があれば別途用意してもらえる)
- 夕食も集まってとる
- 本人の同意があれば夜の巡回もある
この食事や巡回での会話で「土日どっかいく?」「マリンピアみんなで行く?」といった世間話から、「最近どう?」「困ってることはない?」といった相談事をする機会もたくさん。
金銭管理の苦手な方は職員に管理を手伝ってもらうこともできますし、服薬を忘れがちな方は職員に声掛けを頼めます。洗濯機の動かし方や、掃除の仕方、会話のペース、そういった人それぞれの困りごとの数だけのサポートがあります。

(メディカルフードサービス|健康管理食宅配サービスより画像引用)
食事としては、こういった介護施設用の冷凍弁当がかなりの種類あるようで、現在はこの「健康おうちごはん」を導入中。柴原さんはまだどのメーカーにするか決めかねているようですが、夕食ではこれにプラスしてご飯とお味噌汁が出てきます。朝食はパンとウインナーとキャベツと目玉焼きなど。職員さんお手製です。これが毎日出てくるのは非常にありがたいですね……
そうそう、私が行っていたアルバイト先の休憩室がこんな感じでした。いろんな年齢層の人と一緒に休憩でお弁当を囲んで、仕事の話や自分の話、面白い話もしょうもない話もたくさんしました。話したくない時は端っこで黙ってたし、自由で楽しい時間だったなあ。この場所にもそういった、かしこまらなくても良さそうでアットホームな雰囲気を感じました。
オリーブは自由度が高いので、職員に声を掛けていれば出掛けるのも自由、土日や年末年始・長期休みは実家に帰ることも自由です。ヘルパーさんと共にお出かけされる方もいます。半一人暮らしという新しいカタチですね。
自立までの道のり
就労継続支援B型事業所あすなろ(HP:https://asunaro.jimdosite.com/)と連携しており、利用者さん個人の状態に合わせて情報を共有しているので、作業種のマッチング、サポートやケアを提供しやすく、利用者さんからも相談しやすい環境があります。
就労継続支援A型と就労継続支援B型の違い
- 就労継続支援A型:雇用契約を結び、最低賃金を守る。基本原則7~8時間を週5日間の常勤契約になる。
- 就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、出来高の作業工賃を得る。フルタイムや雇用契約を結ぶのが困難な方が対象。
そのまま一般のパートや正社員になり、グループホームを離れていくところがゴール。
でもいつ戻ってきても良いんです。帰る場所があるのは大事で、これが無かったらまた一から(もしくはマイナスから)衣食住の生活の立て直しをしなければなりません。
「正社員だから、一流企業で働いているから偉いとか、そういう事ではありません。しかし、同じように働いたら同じように対価を得る権利はあると思っています。その人の中の楽しみや存在意義を感じれたら良いものなのかな。失敗しても帰ってきていいよ。衣食住の土台としてうちがある。」と語る橋さん。
話を聞いていると衣食住がどれほど大切かを実感します。自分にも身に覚えがありますが、落ち込む日々が続くとやっぱり部屋も汚くなるし食事も適当になり、肌も荒れるしお風呂も面倒だし、どんどん悪い方向ばっかりに行くんですよね。清潔な服を着て、温かいご飯を食べ、快適な部屋で過ごす。何をするにしてもこれが揃ってからこそ。一人で難しいなら、少し手を差し出してみませんか?
至れり尽くせりのワンルーム。用意するのはTVと寝具のみ!
ここからは実際に部屋を見てもらいましょう。現在空き部屋になっているひと部屋を見せてもらいました。
ここはモデルルーム兼体験入所の部屋で、見学に来られた方を案内したり、数日体験したい方のための部屋です。

なので寝具とTVが置いてありますが、契約した場合は寝具とTVは自前で用意することになります。その他の家具家電は付いて来ます。エアコンも冷蔵庫も洗濯機も完備なのですぐに生活できますね。普通に賃貸探しててもエアコン無い部屋なんかザラにあるので、なんたるオトク感!



なんなら歯ブラシも付いてきます。
体験入所の料金は宿泊料1,200円+朝食250円+夕食600円=2,050円/1日、本人の望む日数泊まれるなんて、もはやビジネスホテルよりかなり安いやん!と気付く筆者。※ビジホ代わりにするのは絶対に辞めて下さい
「今後入居者さん増えたらAmazonプライムとかネットフリックス入れようかな……でもな……おもてなしし過ぎるのもちょっと違うな……」と、悩んでいるそうです。う~んそれも魅力的!しかし快適すぎてグループホームから出られなくなっても本末転倒といいますか……
これまで実家を出たことがなくて身の回りの世話が出来るかわからないような方でも、オリーブではすぐ近くに職員がいるので「洗濯のやり方がわからない」「掃除ができない」といった悩みもサポートしてもらいながら自分でも出来るように訓練できます。
なぜグループホームを?
平成26年から福祉に携わり、訪問介護事業所や就労支援B型事業所をしており、グループホームの取り組みにも興味があった橋さん。
「近年、発達障害を含む精神障害や知的障害の人は増加傾向にあるものの、介護職員・福祉職員の数は不足している。その中で、職員ひとりひとりに対する負担がかかりすぎない状態で出来れば、必要な方に対して長くサポートし続けられる。」
こういった形にあてはまり自立を促せる人であれば、このグループホームの形を広げていきたいと語ります。

グループホーム オリーブへのアクセス方法
※Googleマップでは建物名称が「サクセス21」になっていますが、取材時点(2025年7月末)の建物名称は「アバンティ垂水」です。お間違えのないように!
目印としては、名谷ジャンクションやジェームス山天然温泉 月の湯舟の近く。
最寄りのバス停は掘割です。本数も多く、1時間に3~4本のペースで走っています。


電車の最寄り駅は垂水、そこから8分程度バスに乗って掘割で下車し、そこから徒歩5分で到着です。垂水駅から徒歩なら35分程度。散歩が趣味の方なら歩いても良いですね。私はバスに乗ると思いますが。
オリーブさんに駐輪場や駐車場(要契約)があるので、車やバイク・自転車も停められますよ。
まずはご相談・体験してみませんか?
こういったサービスになかなか辿り着けない方が山ほどいると思います。
「行政への頼り方がわからない」「どこに相談すればいいのかわからない」「自分はあてはまらないのではないか」こういったサポートが必要な方にこの情報が届いて、グループホームを見つけるキッカケのひとつになり、自立への第一歩となれば嬉しく思います。
現在は兵庫県立ひょうごこころの医療センターや明石こころのホスピタル等、ケースワーカーや民間の相談員、行政の生活支援科・障害者支援科からの紹介で来られる方がほとんどです。まずは見学や体験で入所できるので、お互いのミスマッチを減らすことが出来ますね。
現在の利用者さんには初めてグループホームを利用される方も、他の施設に居た方もおられます。人と接する事が苦手でよりプライバシー度が高い方が良い、という方もいます。年齢は基本的に18歳~64歳と幅広く受け入れることが出来ます。
半自立・半一人暮らしをしながら、少しのサポートや声掛けを受けつつ、一緒に、自立に向けての準備をしませんか?
施設情報
事業種別 | 共同生活援助 |
施設概要 | ワンルームタイプ 人員配置管理者:1名 サービス管理責任者:1名 世話人・生活支援員:4名(兼務を含む) |
設備(各居室) | エアコン・洗濯機・冷蔵庫 完備 |
対象者 | 障害福祉サービスに準ずる者 |
サービス | 日常生活支援・家事支援 健康管理・服薬確認 食事の提供(朝・夕) 各種相談助言・ご家族との連絡 等々。 他のサービスとの連携 |
近隣施設 | バス停まで 徒歩5分ほど コープ神戸福田店まで 徒歩10分ほど |
株式会社バベル 障害者グループホーム オリーブ
〒655-0013 神戸市垂水区福田5丁目1-20
TEL:(078)767-4198
FAX:(078)767-4205
HP:https://olive-tarumi.com ←HP作成も弊社がお手伝いさせて頂きました!!
費用について
家賃 | 40,000円 |
食費 | 25,000円 (朝240円夜600円) |
水道光熱費 | 実費分 |
日用品費 | 実費分 |
雑費 | 1,000円 |
オリーブさんのInstagramも要チェック!
オリーブさんはInstagramも開設しています。部屋の写真から釣り上げた魚の写真まで。釣りとゴルフで真っ黒に日焼けしていた橋さん。きっとあの立派なサゴシも橋さんが釣り上げたモノでしょう……
取材を終えて

取材後は教えてもらった近くの丸源ラーメン垂水名谷店にて麺食べて帰りました。店員さんの腰が低すぎて恐縮。オリーブの職員の皆さんもよく行くそうで。運転と撮影を手伝ってくれた弊社営業の中尾もニッコリです。