著作者が許可する範囲内でコンテンツを自由に使えるようにできるCCライセンスことクリエイティブ・コモンズ・ライセンス。その使い方と表示方法
2018/05/18
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトのことです。
日本においてはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが日本の著作権法に準拠した規定を設けています。
参照:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは、インターネット時代のために作られた新しい著作権ルールで、著作者が「条件を守れば作品を自由に使ってもOKです」というものです。
著作物は著作権法によって保護されており、基本的には著作権者の許可無しではそのコンテンツを利用することはできません。
作品を流通させるために、一部の作品の著作権を手放したりする著作者もいますが、著作権は放棄せず自分の作品を広く流通させたいというクリエイターはたくさんいます。
CCライセンスを利用することで、著作者は著作権を保持したまま作品を流通させることができ、利用者はライセンス条件の範囲内で使用できる作品の幅が広がるため、双方にとってメリットが生まれます。
クリエイティブ・コモンズの作品利用条件を示す4つのアイコン
クリエイティブ・コモンズでは、作品利用の条件を4つのアイコンで示しています。
BY(表示)
著作者や作品に関する情報を表記しなければなりません。
NC(非営利)
営利目的での利用はできません。
営利目的で使用したい場合、直接著作者から使用許諾を得る必要があります。
ND(改変禁止)
作品に加工や編集などの改変を行わずに、作品をそのまま利用しなければなりません。
SA(継承)
作品を改変することは可能ですが、改変して新しい作品を作った場合、その作品にも元の作品と同じライセンスを付けなければなりません。
例:元の作品のアイコンが『NC(非営利)』『SA(継承)』なら、改変した作品にも同じ『NC(非営利)』『SA(継承)』のCCライセンスを付与する。
クリエイティブ・コモンズで規定しているライセンス
クリエイティブ・コモンズでは上記4つのアイコンを組み合わせて、6つのライセンスを規定しています。
表示
著作者のクレジット(氏名や作品のタイトルなど)の表示のみを要求するライセンスです。
クレジットを表記すれば、営利目的での二次利用も改変もできる、最も自由度の高いライセンスです。
表示-継承
原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセンス(表示-継承)で公開することを条件に、営利目的での二次利用も許可されます。
表示-改変禁止
原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)表示し、元の作品を改変しないことを条件に、営利目的で利用(転載、コピー、共有)できます。
表示-非営利
原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)を表示し、営利目的でなければ、改変・再配布が可能です。
表示-非営利-継承
原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)を表示し、非営利目的に限り、また改変を行った場合は元の作品と同じ組み合わせのCCライセンス(表示-非営利-継承)で公開することを条件に、改変・再配布ができます。
表示-非営利-改変禁止
原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないことを条件に、作品を自由に再配布できます。
その他のライセンス
クリエイティブ・コモンズでは上記6つのライセンスを規定していますが、作品に付与される著作権を全て放棄した『CC0』というものもあります。
これは、その作品を実質パブリック ドメインにするという意志表明に使われるライセンスです。
しかし著作権を放棄するための明確な手続きは存在しないので、著作者から権利を放棄したことを発信する必要があります。
クリエイティブ・コモンズを自分の作品で表示する方法
CCライセンスを自分の作品に表示させたい場合、こちらのページから希望に沿ったCCライセンスマークを取得できます。
https://creativecommons.org/choose/
2つの質問に答えるだけでライセンス表示のコードが生成されるので、作品を公開しているウェブサイトにコードを埋め込めば、CCライセンスを表示できます。
ただし、一度付与したCCライセンスは、後から変更ができないので注意してください。
さいごに
インターネットの普及によりいろんなコンテンツが流通し、それらを享受できる環境になっていますが、コンテンツ盗用の問題も多数報告されています。
クリエイティブ・コモンズの活動母体はアメリカの非営利団体で、クリエイティブ・コモンズ自体は法的な強制力はありませんが、CCライセンスを設置することでコンテンツ盗用の抑止に繋がる可能性はあります。
自分の作品を守るためにも、CCライセンスを表示して取り扱いについて明記してはいかがでしょうか。