35mm換算って?センサーサイズと画角について
前回はセンサーサイズと被写界深度の関係について書いたので、今回は画角との関係について。
焦点距離は、レンズに『◯◯mm』と表記されているアレです。
画角とは、被写体が写る範囲のことです。
レンズにはフルサイズのカメラを基準にした焦点距離が記されているのですが、センサーサイズが小さくなれば画角が狭くなり、フルサイズ以外のカメラでは実際の焦点距離よりも望遠側で撮ったように写ります。
これでは、フルサイズ以外のカメラではどのような写真が撮れるのかイメージしにくくなってしまいます。
そこで「フルサイズのカメラでは◯◯mmの画角で写りますよ」ということで、35mm換算という言葉が出てきます。
よく「◯◯mm相当」って書かれているアレです。
ぼくの愛機はNikon D90(APS-C)とNikon1 V2(1型)なのですが、下記の2枚の写真
Nikon D90(APS-C)35mm
と
Nikon1 V2(1型)18.5mm
は、焦点距離35mmと18.5mmですが、この2枚の写真はほぼ同じ画角(35mm換算で約50mm)となっています。
これは、センサーサイズの違いによるもので、
センサーサイズが小さいほど、望遠レンズで撮ったように写るためです。
35mm換算の焦点距離を算出するには、APS-Cは1.5倍、1型は2.7倍すればOKです。
APS-C:35×1.5=52.5mm
1型:18.5×2.7=49.95mm
ちなみに50mmというのは、人間の目とほぼ同じ画角です。
35mm換算の画角は、レンズの焦点距離にセンサーサイズに応じた倍率を掛けてやればOKです。
それぞれの実際の焦点距離の倍率は、表のようになります。
センサーサイズ | 倍率 | 50mmの画角 |
フルサイズ | 1倍 | 50mm |
APS-C | 1.5倍 | 35mm |
4/3 | 2倍 | 25mm |
1型 | 2.7倍 | 18.5mm |
1/1.7型 | 4.6倍 | 10mm |
1/2.3型 | 5.5倍 | 9mm |
ここで気をつけないといけないのが、実際の焦点距離が変わるわけではないことです。
例えば、APS-Cのカメラに300mmの望遠レンズをつけると『450mm相当』になるわけですが、これはあくまでも『フルサイズのカメラに450mmのレンズを付けた場合と同じような写真が撮れますよ』ということです。
結局「なんで35mm換算が必要なの?」という話ですが、画角についてはフルサイズを基準にしましょうということになっているからです。
フルサイズを基準にする理由ですが、これはフィルム時代からの名残りです。
いろいろ書いてきましたが、
①デジタル一眼カメラはフルサイズが基準になっている。
②実際の焦点距離は変わらない。
③自分のカメラの35mm換算の計算式を覚えておく。
ということを覚えておけば良いかと思います。