年末の定番音楽、第九。なぜ第九は年末の風物詩になったのか。
年末になると、耳にすることが多くなる音楽と言えば、クリスマスソング以外では『第九』なのではないでしょうか。
第九は例年150公演以上が開催される、クラシック史上最大のヒット曲とも言われています。
ところが第九は、日本では頻繁に演奏されていますが、海外ではそういうわけでもないようです。
華やかな曲調から祝祭的なイベントで演奏されることが多いのですが、オーケストラの他にソリストが4人と合唱団まで必要なこともあり、そう頻繁に演奏される曲目ではないとのことです。
なぜ日本の年末では第九なのか?
第九の正式名称は『交響曲第9番二短調』で、ベートヴェンが最後に完成させた交響曲です。
日本の年末で第九が演奏されるようになったのは、「NHK交響楽団」の前身、「新交響楽団」が密接に絡んでいるとの説が有力だそうです。
昭和2年の演奏会で第九を演奏し、昭和20年までに30回も演奏、そのうち6回が年末に演奏していたからだと言われています。
さらに昭和22年に新交響楽団改め『日本交響楽団』が年末に3回も演奏したことが、今に至るきっかけになった可能性が高いとのこと。
最近では演奏だけではなくなった第九
年末に演奏されたことが多かったために『年末=第九』の図式ができあがってきたのですが、ここ近年は参加型の第九が増えてきました。
合唱団の一員として第九に参加しようという企画です。
『1万人の第九』などがそうですね。
ここまで大きなものでなくても、第九合唱団は各地で募集されていたりします。
聴くだけではなく、参加することに楽しみを見出している人の増加も、第九人気にさらなる拍車をかけているようですね。