ポスターなどの大きな印刷物に使いたい写真が小さいサイズしかない。販促用やアイキャッチ用の大判印刷に使用する時の画像の解像度について。
2018/05/17
以前、印刷に使う写真などの画像データは、300〜400dpiが必要だと書いたことがあります。
そのデータで大丈夫?印刷に使う画像データの解像度と画像サイズについて。
A4やA3サイズでしたら普通に撮影した写真をそのまま使うこともできるのですが、A2以上の紙面全面に写真を使用したい場合などでは、そこまで大きなサイズの画像データを用意するのは難しいかと思います。
ちなみにA2サイズの大きさは420×594mmですが、この全面に300dpiの画像を使用するとなると、4961×7016ピクセルのデータが必要ということになります。
現在のデジタル一眼レフカメラで最大6000ピクセル前後のものが多いのでカバーできる範囲ですが、少し前の世代のカメラだと最大4000〜5000ピクセルくらいのものが主流だったので、解像度は少し足りないくらい。
B2やA1などもっと大型のものになると、ますます足りなくなってしまいます。
でも、ポスターの使用用途から考えると、じつは解像度は300dpiも要らない場合があります。
ポスターの使用用途から解像度を考える
チラシやDMのポストカードなどは、手にとって間近で見ることが前提なので、画像の解像度は300〜400dpiの、くっきりと印刷できるサイズのものが必要になります。
ところがポスターの使用用途は、ほとんどの場合遠くから見ることが前提になっているので、画像が少々ぼやけていても人間の目には判別できません。
そのため、駅や店頭に掲示する、遠目に見ることが前提の販促用やアイキャッチ用のポスターに使用する画像は150〜200dpiもあれば十分だと言われています。
ちなみに300dpiのA4サイズの画像を半分の150dpiにすると
A2サイズの全面にそのまま使用できます。
チラシのデザインデータを、ほぼそのままポスターに転用することが可能ですね。
レーザープリンタで印刷したものを比較してみましょう。
左が300dpi、右が150dpiのデータです。
300dpi拡大
150dpi拡大
150dpiの方は確かにぼやけてますが、遠目で見るには全く問題ないかと思います。
ポスターでも高解像度のデータが必要になるケース
遠目に見ることが前提のポスターは解像度が低くても大丈夫だという話をしてきましたが、逆に間近で見ることが前提のポスターとはどういうものでしょうか。
これは、販売用やグッズなど、お金を出してお買い求めいただく用途のポスターになります。
こういう用途のポスターには、高解像度の画像データを使用されることをおすすめします。
さいごに
今回は遠目に見ることが前提の画像解像度についてお話ししましたが、できるだけ余裕のあるサイズのデータがあるにこしたことはありません。
また、印刷方式やデータの種類等によっては、予想以上に粗が目立つ仕上がりになる可能性もあります。
あらかじめご了承ください。
紙のサイズと必要な画像解像度は『紙面全体に写真やイラストを使いたいけど、必要な解像度とはどれくらい?A4、B4、A3などのチラシからA2、B2のポスターまで、必要な画像データのサイズ一覧表。』をご覧ください。