画面で見たイメージと印刷の仕上がりの色が違う?RGBとCMYKの印刷した時に色が変わる問題について。
2018/05/16
前川企画印刷では名刺やチラシの印刷を数多く受けてきておりますが、お客さんの中には最初から割と明確なイメージを持たれていて、WordやExcel、Powerpoint等で大まかなデザインを作成してから依頼してくる方もおられます。
ところが、こちらで印刷用に組み直したデータの校正や仕上がりを見て「ちょっと色味が違う」「イメージしてたのはもっと鮮やかな色合い」ということも。
明確なイメージカラーが決まっている場合や、こだわりの写真、イラストなどの場合、色味が違ってくるのはいただけませんね。
あまりにも元のイメージとかけ離れてしまうと、作品集などを作る場合は致命的です。
最近は一眼レフやミラーレスのカメラで撮ったRAWデータを自分で現像したり、PCやタブレット等のデジタル環境でイラストを描く方もかなり増えたので、色に敏感な方も多くなったように思います。
なぜ画面上で見た色と印刷の仕上がりの色が変わってしまうのでしょうか。
それは画面上で扱う色と印刷で使用する色が違っていることが原因です。
画面上で色を構成する光の三原色RGBと、印刷で使用する4色のインクCMYKについて説明します。
光の三原色「RGB」
光の三原色の「RGB」は、
・Red(赤)
・Green(緑)
・Blue(青)
の三色のことを差します。
TVやPCのモニター、デジタルカメラのデータなど、デジタル環境において使用されています。
RGBの三原色は混ぜるほど明るくなる(白に近づく)ため『加法混色』と言われています。
印刷で使う4色のインク「CMYK」
印刷で使用される4色のインク「CMYK」は、
・Cyan(シアン)
・Magenta(マゼンタ)
・Yellow(イエロー)
・blacK(ブラック)
の四色のことを差します。
この四色のうち、CMYは色材の三原色と言われています。
RGBと違ってCMYは混ぜれば混ぜるほど暗くなる(黒に近づく)ため『減法混色』と言われています。
基本的にCMYの三色でほとんどの色は表現できるのですが、厳密にはCMYの混色だけでは純粋な黒にはならないため、CMYにKをプラスして、4色でフルカラー印刷を行います。
RGBとCMYKの違いで生じる色味の違い
RGBとCMYKで再現できる色の領域(カラースペース)は、RGBの方が広くなっています。
また、最近のスマホやタブレットのディスプレイはカラースペースが広く、色の再現度がかなり高くなっています。
RGBの広いカラースペースからCMYKの狭い領域に落とすことで再現できない色は、近似色に置き換えられることになります。
そのため、印刷での仕上がりは少しくすんだ色味で仕上がることが多いのです。
RGBをそのままCMYKに変換すると、下図のような色合いになります。
また、使用する紙によっても色味が変わってきます。
コート紙などの色が紙の上に乗るものの方が、上質紙のように色が紙に沈むものよりも鮮やかな色合いになります。
色味の違いをできるだけ抑えるために
色味の違いが出てくる一番の原因は、RGBとCMYKの違いによるものが大きいので、CMYKでデータを制作するとイメージの違いが抑えられます。
ですがIllustratorやPhotoshop等がないと、なかなかCMYKの環境で確認することができません。
前川企画印刷では、CMYKで作成したデータの色合いでご確認いただき、できる限り色味の違いにも対応させていただいております。
印刷物以外のデータ制作のみの業務も承っておりますので、お気軽にご相談ください。